実家を出たことによる変化

わたしは訳あって障害者向けシェアハウスに暮らしています。

訳あって、と勿体ぶりましたがようは家族との折り合いが悪かったのです。
そのせいで心身に不調が出るため、地域の障害者支援センターに相談して今の住まいを見つけてもらいました。
暮らし始めて半年以上が経ちます。

実は実家を出るのは今回が初めてではありません。
数年前、どうしても家を出たくて、仕事も辞めて県外へ出たことがありました。
そこでは1年足らずで体調を崩して実家に戻ってしまったのですが、その時と今とでしみじみ思うことがあります。

それは、「実家を出た方が家族にやさしくなれる」ということ。

同じ家に暮らしている時は気配を感じるだけでもうんざりしたのに、今は家族の身体を心配している自分がいます。
あんなに嫌いだった祖母も、物理的な距離を置いてしまえばただのおばあさん。
決して好きになった訳ではありませんが、「嫌い!憎い!」って気持ちは薄まっている。
少し冷静に、客観的に「おばあさん」って物体として見ることができているのかも知れません。

変な話ですが、そこら辺にいるおばあさんと同列に、個人的な思い入れを少なくした状態の方が愛情を持って接せるという状態。
変な話ですね。
普通に自分の家族が好きな人にはわからない感覚かも知れません。

そして同じく、家族の方も、わたしが実家にいない方が何かと心配してくれるのです。

わたしが県外で一人暮らしをした時もそうでした。
口下手な父が、用もなく一人暮らしのわたしに電話をかけてきて感動したことがあります。
それくらい仲のいい親子なら普通かも知れませんが、わたし達親子は距離が離れてようやく素直に話せるようになるみたいです。
これがツンデレというやつか?
わたしの知ってるツンデレと違う!

…着地点がわからなくなってきました。
まあそんな感じで、実家を出たことによって、近くにいる時には感じられなかった家族の愛情みたいなものを時々感じることがあります。
きっと実家と付かず離れずのこの状態が、わたしの家族に対する「離れたいけど捨てられない」という感情を癒すのにちょうどいいんですね。

とにもかくにも家を出る選択をしたのは正解でした。
まだ先のことはわからないし、わたしの中で家族に対するモヤモヤがすべて解消された訳ではありません。
今後も自分と家族とのちょうどいいバランスを探っていきたいと思います。

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